基本姿勢の確認と直滑降停止

基本姿勢の確認

基本姿勢の定義

落下していくスキーに置きざりにならないための姿勢

意識や身体の使い方の伝達ポイント

様々な伝え方がありますが、レッスン中に伝え方を変えながらお客様に響くものを探しましょう。

  • 棒立ち状態から、股関節を曲げ背中を傾ける。この時、膝の曲げは意識せず、股関節が曲がることで自然に膝が曲がる程度に留める。
  • お尻の穴を空に向け、胸は雪面を向ける。
  • ベルトのバックルがベルトの背中側よりも下にある状態。
  • 足指はパーにすることで足首の角度が入りやすくなる。
  • ブーツのタンにスネが当たっている状態
  • タンに身体全体を預け、かかとが浮く事を確認する。そこから股関節をゆっくり曲げてきてかかとがついた所を基本姿勢としても良い。
  • ビンディングのトゥピースに体重を預けるイメージ
  • コブ斜面では恐怖心などから、スキーに置き去りにされ、失敗する例が圧倒的に多いため、イメージと現実の差分を考慮し、前傾過剰なのではないか?を思うくらいで良い。
  • また、コブはその形状の特性から、必ずかかと荷重になる場面があります。ですので、かかと寄りに基準を作らないほうが、現実的といえます。
  • その場でポンポンポンとジャンプし、3回目で着地した時に、股関節を強めに曲げた姿勢←おすすめ

外部からのチェックポイント

スネと背中の角度が平行であるか?

胸が雪面を向いているか?

付随したポイント

基本姿勢は、常に維持できれば良いが現実にはそうも行きません。維持よりも大事な事は後傾したら戻すこと。その時「ここに戻すんだ」という基準作りが基本姿勢作りと言えます。

斜滑降をしながら、あえてかかとに寄りかかったところから前傾姿勢に戻すを繰り返しながら、かかとに寄りかかったらすぐ戻すを覚える。

擬音化・簡略化

説明した後は、「ポンポン(ジャンプの意味)」など合図を決めて、この合図が出たら、ジャンプして基本姿勢をとるなど、説明を擬音化し、お客様の頭の中を軽くしてあげる。

「ポンポン忘れないでくださいね!」

特にスタート時、基本姿勢がすでに崩れているケースは多く、特にレッスン時間が進むと忘れがちになるので要注意。

参考動画

お尻の穴を空に向ける。骨盤の前傾=股関節の折りたたみ

スキー板の重心位置

足首の使い方による重心位置の変化

骨盤の前傾と胸の前傾 女性に多い胸の後傾

ブーツの中で指はグーか?パーか?

直滑降停止

基本姿勢が出来たら緩斜面で直滑降をしてみましょう。

直滑降時の基本姿勢を確認

意識や身体の使い方の伝達ポイント

肩幅スタンスでスキーと膝の幅は同等であること

基本姿勢が崩れていないか

両スキーを横に向けるとスキーがズレはじめるのを確認

横への向け方は身体のどの部位が動いているか?などの説明は省き、シンプルにつま先や、膝や、腿を横に向けます。

スキーを横に向ける際、上半身は背中の傾きを維持し、直滑降姿勢を崩さない。

目線はゲレンデの下(直滑降時のまま)

上半身は背中を傾けたまま(胸が雪面を向いたまま)

スキーを横に向けた際に基本姿勢が崩れるパターンが多い

ズレながら少しずつ摩擦が強まり減速していくことを感じる

十分にズレて、減速を感じてから停止と同時に谷ストックを突く

突く場所は、テールの端とヒールピースの真ん中、スキー板から30cm斜面の下に離した所。(こういう指示は明確に行う。)

上記場所にストックを突くことで谷スキーへの荷重が強まり、谷股関節が折りたたまれる事を感じる。

強く突いて良い。

外部からのチェックポイント

直滑降時の両スキーと両膝の幅が同等か(スキー板の真上に膝がある)X脚、K脚になっていないか?

スキーを横に向けた際の上半身が基本姿勢のまま維持できているか?

停止時ストックを指定の場所に突けているか?上半身は基本姿勢を維持出来ているか?

股関節の折りたたみが見えるか?

参考動画

基本姿勢での直滑降、斜滑降

なぜスキーは止まるのか?

なぜ発射するのか?

直滑降停止(ストック突いていないバージョン)


横ズラシ停止

直滑降停止では、ゲレンデの下に進む慣性が働いているため、スキーがズレやすいが、今度は停止状態から横ずらしを行い、エッジの操作感覚を養います。

停止状態から、少しずつエッジ解放を促すために、山側に倒れているスネを斜面下側に立ててきます。するとズレが発生してきます。

意識や身体の使い方の伝達ポイント

スネを立てることでズレを発生させる。

または、谷腰を谷ブーツの上に近づける事(重心の移動)でズレを発生させる。

ズレ時、ストックはゲレンデ下にリングを向け構える。

ストックを突く事に合わせて停止(直滑降停止時と同様)

停止の際は、またスネを山側に倒す(コンディションにもよりますが、緩斜面で行っているためわずかでOK)

ズラシ時に肩幅くらいに広がっているスタンスを停止と同時、揃える。山スキーを谷スキーに添える。(ストックと同時)

左右交互にバランスよく行いましょう。切替しのことはまだ考えない。

外部からのチェックポイント

スネを立てる、倒すをおこなってズレと停止をコントロールできるか?

ストックの構えとズレ、停止とストックを突くの動作タイミングが同じか?

停止時に足を揃えられているか?

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