【コブでのスキー操作】テールを押し出すのではなく、トップを狙ったポイントへ「差し込む」2026/3/29鷲ヶ岳コブレッスンレポート

GP初級2ピボット操作
担当:清水太志

コブ斜面において、狙った場所でクルリと向きを変える「コントロールされた切替」をするためには、このピボット操作の習得が欠かせません。
グサ雪でスキーが動きにくい中でしたが、正確な操作を身につける為には良い練習となりました。

【ピボット操作とは:狭いスペースを制する軸運動】
 ピボットとは、自分自身を回転軸(ピボット)とし、スキーのセンター(足元)を中心にコマのように向きを変える技術です。
コブの中は非常に狭く、整地のようにスキーを長く滑らせて向きを変えるスペースがありません。そこで、「その場」で素早く向きを変えるピボットが必要になります。これができれば、深い溝や急な斜面でも、スキーのトップやテールが壁に引っかかることなく、次の通り道へスムーズにスキーを送り出せるようになります。

【土台を作る足場と構え】
 安定したピボット操作は、動く前の「足場」が必要となります。
⚪︎足場の確認: 全身の力を適度に抜き、足首、膝、股関節が柔らかく曲がった状態を作ります。重心が足首にしっかり乗ることで、自然な前傾姿勢が生まれます。ブーツの前ベラに脛が当たって前圧を感じられます。
⚪︎基本の構え「ゲッツ!」: 腕を肩幅より少し広く、両拳がゴーグルの視界の下の方に見える位置でキープします。この懐(ふところ)の深い構えが、不安定なコブの上でバランスを保つ「ベース」になります。

【スライド姿勢の極意マイク&ゲッツ!】
 ピボットで向きを変える時、あるいはその最中に最も重要なのが、上体の向き(前傾外向姿勢)です。私はこれを「マイク&ゲッツ!」と呼んでいます。
⚪︎マイク: 谷側の手のストックグリップを、顔や胸の前に構えます。まるでマイクを持って歌うような位置です。
⚪︎目線とリング: ストックのリングを次の目標(進行方向)へ向け、目線はその先を捉えて常にリンクさせます。
⚪︎ゲッツ!: 山側の手は「ゲッツ!」のポーズを維持し、肩(肩甲骨)を前に出すように上体を谷側へひねり込みます。この時点で谷スキーに荷重出来ているはずです。
⚪︎ひねりのパワー: この「マイク&ゲッツ!」で上体をひねり込んだ状態は、いわば引き絞られた弓です。この貯まったパワーをウエイトシフトと脚の操作によって「ひねりの戻り」を発生させることで、軽やかにスキーを切り替えることが可能になります。


【運動のメカニズム:ひねり解放と山足ピボット】
 実際のピボット動作は、以下のステップで連動させます。
1. 溜め: ボトムから出口付近で、深い前傾外向姿勢(マイク&ゲッツ!)を作り、上体を谷側へひねり込みます。
2. 解放: コブの出口で山足一本で立てる谷足抜重を行い、重心落下を阻害しないように横方向へのウエイトシフトを行い雪面からの圧力を逃がします。エッジが外れた瞬間、滑走面はフラットになり溜めていたひねりが解放されます、足元をクルリとフォールラインへ向けられます。慣れてきたら両足同調操作を行うとスタンスが安定して密脚でできるようになります。
3. セット: 向きが変わった瞬間に、反対側の「マイク&ゲッツ!」を素早くセット。 この切り替わったら即・構え!という運動が、連続したコブ滑走の安定感を生みます。スライド時も切替時も全部ブレーキがかかっている状態を意識します。
4. 曲げ切替:うーピボットにも挑戦しました。脚を曲げて小さい姿勢で置いたストックを頼る様に重心を谷側へ移動させます。両スキーがオートマティックにフラットになりトップが下へ動きます。(回旋)切り替わったら伸ばし荷重でマイク&ゲッツ!です。

【実践ドリル:トップの支配と前後バランス】
 ピボットを成功させる鍵は、スキートップの扱いにあります。
⚪︎トップを「点」で狙う: テールを押し出したり横に振り回すのではなく、トップをコブ裏や壁の狙ったポイントへ「差し込む」意識を持ちましょう。

⚪︎前傾の維持: ピボットした時は一瞬、直滑降になります。ここで後傾や内倒になるとスキーだけが先に行ってしまい「発射」の原因になります。へそを谷太ももに近づける前傾外向姿勢をキープして素早い左右運動をしましょう。脚の捻りが強いと感じるかもしれませんが、習得のための練習は大胆にオーバーに動く事が重要です。スキーを自分の支配下に置き続けましょう。

【ステップアップへのアドバイス】
 本日の練習で「スキーが回りすぎてしまう」あるいは「角が引っかかって回らない」と感じた場面があったかもしれません。

⚪︎回りすぎる場合: 前傾外向姿勢(マイク&ゲッツ!)が解けてローテーションしていませんか?谷足に力が入り突っ張ってしまって山側へ重心が倒れているかもしれません。身体の力を抜いて脱力して谷脚の足首へ体重を乗せると脚が曲がるはずです。最後までしっかりマイクを進行方向に向け続けて山手のゲッツ!で外向しましょう。トップを押さえたスキーアングルの調整力を身につけましょう。

⚪︎回らない場合: 抜重(エッジを外す動き)が足りないか、重心が後ろに残っているのかもしれません。もう少し勇気を持って、重心を斜面下方向へ投げ出してみてください。脚が曲がって小さくなった姿勢から構えたストック(マイク)のリングを雪面に置いたら、そのストックを頼るように谷方向へ膝頭を向けながら脚を伸ばしてみましょう。

 ピボット操作は、「縦スライド」や「Cスライド」の全ての土台となる技術です。狭い場所で自由自在に向きを変えられる自信がつけば、コブは「怖い場所」から「楽しい遊び場」へと変わります。

 本日掴んだ「マイク」を構えてクルリと回る感覚を大切に、ぜひ反復練習を続けてください。コブをエレガントに攻略する日は、もうすぐそこです!

また次回のレッスンで、さらに洗練された皆様のピボットが見られることを楽しみにしています。本日はありがとうございました!

 さて、本日のピボット練習の中で、足元のスキーがスッと軽く回り出した感覚はありましたか?
その時の「ひねりが解ける心地よさ」をぜひ言語化してみてください。その実感を積み重ねることが上達への最短ルートになります。H.Pの方でご感想をお待ちしております!

 また、パラレルスタンスでクルッと回りたい方のご予約もお待ちしております。

清水

コブ専門のDirectlineスキースクールの開催会場と予約はこちら

レッスン参加者の声はこちら

▼ピボット操作を学ぶ!しげさんのコブ攻略シリーズ

しげさんのコブ攻略シリーズの動画視聴はこちら

清水太志

シニアの方や体力に不安のある方にも安心して受講いただけるよう、わかりやすい説明と丁寧なデモンストレーション を心がけて楽しくお伝えしていきます!

1

Lesson Report

Movie

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


TOP
TOP